2007年5月15日
小橋川(リーダ)
タイトル:認証の種類
1.はじめに
認証の種類は,利用可能なメディアで大別できる.すなわち,言語メディア,映像メディア,音響メディアの3つである.
言語メディアを用いた認証技術は,IDとパスワードまたは合言葉等である.
映像メディアを用いた認証技術は,撮像可能な物理現象全般であり,顔パタン認証,虹彩パタン認証,静脈パタン認証,指紋パタン認証等である.
音響メディアを用いた認証技術は,音響事象のうち観測可能なもの全般であり,音声認識(合言葉等の特定のキーワードを認識するもの),話者識別認証または声紋認証(不特定のキーワードで本人を認識するもの)等である.
認証の対象を利用者に特定するものを,利用者認証技術といい,ユビキタスネットワークで必要不可欠な技術である人間以外を含めた現実世界を認証する技術もある.
本稿では,特に利用者認証に関して,1)静脈認証に関して日立ソフトのホームページ[1]に記載されていた内容,2)顔認証に関して松下グループのホームページ[2-5]に記載されていた内容をまとめたものを記す.
2.静紋(静脈認証)
2.1 生体認証が必要とされる背景
情報漏えい防止や不正アクセスを防ぐ上は,個人の「なりすまし」を防止することが重要である.その対応策として,いま脚光を浴びているのが「生体認証」である.図1に情報漏えい対策として,アクセス管理強化および認証に生体情報を導入することが必要であることの概念図を示す.図1は,企業として機密情報や個人情報が漏えいすると,企業としての競争力や訴訟に伴う金銭的損失,さらにはそれらによる企業イメージや信用・信頼を低下させ結果として社会的価値を低下させることになることを示している.また,個人情報保護法施行に伴い,社会的価値が低下するだけでなく法律的な責務を果たすことが求められるなど,社会的な責務を生じる.
このため,企業の価値を持続する意味でも,社会組織の適切な位置を保つ上でも,情報漏えい対策が必要不可欠であり,そこでは確実に本人を特定するための生体認証が必要であることを示している.
図1 情報漏えい対策に生体認証が必要となる流れ
2.2 生体認証の現状
生体認証には、表1のような様々な認証方法がある.セキュリティ対策として使用されているのは、指紋による認証と最近増えてきつつある静脈認証である.
表1 生体認証の方式とその有用性および懸案事項
2.3 指紋認証と静脈認証の違い
指紋認証と静脈認証との大きな違いは,静脈認証は身体内部の指静脈パタンを使用するため認証精度が高く,指紋認証に比べて偽造・改ざんが困難なためより高度なセキュリティを実現できることである.
また,読み取る部分が非接触型なので,機械に直接触れなければならないという不快感も少なく,一般に指紋採取が犯罪時の行為と思われていることから「指紋=犯罪」を想起するという心理的な抵抗感もなく使用できる.表2に指紋認証と静脈認証の比較を示す.
表2 指紋認証と静脈認証の比較
2.4 静脈認証の種類
静脈認証は認証する部位によって種類わけされている.それぞれの特徴は次のとおりである.[7]
指静脈認証:指の第二関節部分で認証するため、機器の小型化が可能。
掌静脈認証:手を広げた状態での翳しとなるので、比較的利用がし易い。ただし、掌を撮影するため、機器の小型化が難しい。
※上記の他に手の甲静脈認証もある
2.5 静脈認証のまとめ
日立ソフトウェアは認証技術の一つとして,指一本で高度なセキュリティを実現する指静脈を使った「静紋」というシステムを扱っている.ここでは,それに関する情報としてホームページに提供されていた情報をまとめたものである.
「静紋」は利用者認証技術のうち,映像メディアの認証を行うものであり,指先の第二間接部の静脈パタンを利用して認証する技術であることがわかった.
3.顔認証(ドコモの「P901iS」でフェースリーダ[6]として採用された技術)
登録写真と似た写真を用意すると、認証してしまう。しかし、顔写真のサイズが小さい場合認証できない。また光の映り込みがあると認証されなかったり、登録した顔にしっかり似せた表情の正面写真が必要になる。
4.まとめ
本稿では,利用者認証の,1)静脈認証,2)顔認証,について日立ソフトウェアおよび松下グループのホームページで公開されている情報をまとめた.
[参考文献]
[1]http://hitachisoft.jp/johmon/
[2]http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn050606-1/jn050606-1.html
[3]http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn060724-1/jn060724-1.html?ref=news
[4]http://panasonic.co.jp/pss/rd/usn/movie_lobast.html
[5]http://www.mew.co.jp/corp/news/0602/0602-10.htm
[6]http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0506/08/news054.html
[7] http://hitachisoft.jp/johmon/what/what.html