非建築専門雑誌の記述 | 建築専門雑誌の記述 | |||||||||||
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形式 | 記述対象 | 要約 | 形式 | 記述対象 | 要約 | |||||||
「箱の家」シリーズ 難波和彦 記事タイトル 『家をシンプルな箱としてとらえる』 confort #31 冬 1998 |
背景情報・予備知識 | 箱の家シリーズ | 「箱の家」シリーズの紹介 | 原型としての 「箱の家」 難波和彦 住宅特集07/1997 |
背景情報・予備知識 | 「箱の家1」について | 一般の人々からの反響 | |||||
「箱の家1」の紹介 | 「箱の家1」の紹介 | ローコスト解決としての一室空間 | ||||||||||
「箱の家」の設計プロセス | コストと要求 | 要求が多い割に予算が極端に少なかったのである。 | 要求、予算 | プロトタイプへの変換 | 普遍性を持つ | |||||||
「箱の家」の提案 | 設計プロセス | 標準化の展開 | 7戸の箱の家の紹介 | |||||||||
一般的なプランニング | システムの標準化 | システムとして標準化 | 箱の家のコンセプトを展開させるにあたって採用した方法は、一言で言えば「標準化」である。すなわち、箱の家−1に対してクライアントが注目している特色を、それぞれシステムとして標準化し、それを展開させて組み合わせていくという方法である。 | 箱、家、コンセプト、クライアント、システム、標準化 | ||||||||
設計者の回答 | コストを下げるには、間取りも工法も出来るだけ単純にするのが有効である。 | コスト、間取り、工法、単純 | 仕上げのコスト | |||||||||
その案は、ごく単純な箱形で、内装はシナ合板で統一し、基本的に一室になったものだった。 | 単純な箱形、内装、シナ合板、一室 | プラン、高さのモデュール | ||||||||||
一般的に見て住宅らしい住宅とはいえないだろう。 | 住宅 | 設備システム | ||||||||||
施主の反応 | 配管システム | |||||||||||
建築家の思考 −住宅設計論 |
設計者の住宅設計論 | 「人間はどんな空間にも適応できる」 | 難波さんは、住宅に関して基本的にふたつの考え方をもっている。 | 照明システム | ||||||||
ひとつは「人間どんなひとでもその気になればどんな空間にでも適応できる潜在的な能力をもっている」ということ、もうひとつは「家族は、間仕切りのない一室空間に住むのがいい」ということだ。 | 人間、空間、適応、家族、間仕切り、一室空間 | コンセプトの標準化 | 全体の空間構成の標準化 | 建築家は大なり小なり自分のデザイン・ボキャブラリーの標準化を行っているからである。 | 建築家、デザイン、コンセプト、標準化 | |||||||
「家族は間仕切りのない空間に住むのがよい」 | 「パオ(北方遊牧民の円形住居)のように一室なのが理想だと思っています。そこから出発して、必要に応じてコーナーができていけばいい。プライバシーは、あとからつくってゆくことができますから。機能を持った部屋を足し併せて行くと言うより、卵が細胞分裂してゆくようなイメージですね」 | パオ、コーナー、プライバシー、機能、部屋、イメージ | 部分要素だけでなく、全体の空間構成までも標準化しようとした点である。 | 空間構成、標準化 | ||||||||
たしかに自分だけの秘密はもちにくいが、コミュニケーションをつくり出し、家族の一体感がもてるという点で、プライバシー重視の家よりいいという実感があった。 | コミュニケーション、家族、一体感、プライバシー | 箱の家−1の単純な箱形と開放的な一室空間のコンセプトを、可能なかぎり実現するようにしたわけである。 | 箱形、一室空間 | |||||||||
設計論の具現化としての「箱の家1」 | ライフスタイルの標準化 | これはある意味で、住まいにおけるライフスタイルを標準化することを意味している | ライフスタイル、標準化、住まい | |||||||||
施主についての記述 | 建築家との価値観の共有 | 竣工後の施主の反応 | 恣意性や嗜好を排除する | 標準化する要素から恣意性や嗜好を可能な限り排除し、徹底的に単純化している点である。 | 標準化、単純化 | |||||||
建築家の思考 -住宅設計論 |
建築家の価値観 | 使いにくいが、悪いことではない | 「何をしても問題が起きない家よりは使いにくいでしょう。でもぼくはそれを、決して悪いことではないと思っているんです」 | これはいわゆる建築家の個性や感覚を反映した通常のデザインとは対極的な標準化である。 | 建築家、デザイン、標準化 | |||||||
特殊解としての「箱の家1」 | 一般には通用しない家 | それでも難波さんにとって、この1号目の「箱の家」はあくまで特殊解であった。 | 特殊解、 | 建築家の思考 −住宅設計論 |
一室空間の現代的意味 | 作意性を消すことが作意 | 作意性を消すことが究極的な作意であるというパラドックスが僕自身の設計上の美学であることもつけ加えておきたい。 | 作意性 | ||||
建築の評価 | 一般のひとからの反響の大きさ | 一般のひとからの反響 | ところが、この家が雑誌に載ると、とくに一般のひとから、いっせいに大きな反響が起こる。 | 一般のひと | 現代における一室空間 | いうまでもなく、一室空間には通常の意味でのプライバシーは存在しない。 | 一室空間、プライバシー | |||||
コストの安さ | 注目を集めた大きな理由はコストの低さだろう。 | コストの安さ | 近代的住居観との差異 | |||||||||
人々を惹きつける魅力 | 空間的なプライバシーと個人は一致しない | つまり空間的なプライバシーと自立した個人とは、一義的には対応していないように思えるのだ。 | 空間的、プライバシー | |||||||||
快適さや便利さ、豊かさ、あるいはそれらの〜装飾もむだもない「箱の家」はすがすがしさにあふれていた。 | 快適さ、便利さ、豊かさ、幻想、装飾、無駄、すがすがしさ | 家族生活と住まいの空間との対応がそれほど強くは求められなくなっていることである。 | 家族、生活、住まい、空間 | |||||||||
建築の描写・説明 | 「箱の家」の標準化 | 工法、プランニング | しかし、常に目新しいことを追い求めるのではなく、工法やプランニングの標準化の問題に焦点を移すことにした。 | 工法、プランニング、標準化 | 家族の一体性としての一室空間 | 一室空間的な住まいがもとめられるのは、それが家族の一体性を表現しているからである。 | 一室空間、住まい、家族、一体性 | |||||
プランニング | それぞれの条件に対応 | 単純な箱形であることも一体性を強化している。 | 箱形、一体性 | |||||||||
仕上げ、工法 | 徹底的に標準化 | 一方、仕上げと工法は、徹底的に標準化されている。 | 仕上げ、工法、標準化 | 住まいの何処にいても家族の気配が感じられる。 | 住まい、家族 | |||||||
外壁 | 外壁 | 外壁はラムダ・サイディングを横張りにし、下地の通気が確保できる方法を考案。 | 外部への開放性 | さらに外部への開放性は社会に対する家族の開放性を表している。 | 外部、開放性、社会、家族 | |||||||
屋根 | 屋根 | |||||||||||
内装 | 内装 | |||||||||||
床 | 床 | 1階の床は床暖房を入れ、フローリングかコルクタイルに。 | ||||||||||
家具 | 家具 | 家具はシナ合板ランバーコアで製作している。 | ||||||||||
構造の標準化 | 構造の単位 | 構造は多くは木造で、一間×二間(三尺六尺)をひとつの単位として、階段と便所、浴室と脱衣室、納戸を1単位とするといったように構成されている。 | 構造、木造、単位 | |||||||||
施工の標準化 | 施工 | |||||||||||
建築家の思考 −将来の展望 |
「箱の家」の可能性 | 商品化の否定 | ただのそっけない箱は、多くの顧客を満足させる商品にはなり得ないと考えるからだ。 | 顧客、商品 | ||||||||
集合化への展開 | 土地を細切れにしてしまうことは、住宅ストックの観点から見ても見直すべきだという。 | 土地、住宅ストック | ||||||||||
実は「箱の家」シリーズは、東西の側壁を共有していけばそのままテラスハウスに、縦に重ねてゆけば集合住宅にもなるのである。 | テラスハウス、集合住宅 |