非建築専門雑誌の記述 | 建築専門雑誌の記述 | |||||||||||
表示 | 構成 | キーフレーズ | キーワード | 表示 | 構成 | キーフレーズ | キーワード | |||||
形式 | 記述対象 | 要約 | 形式 | 記述対象 | 要約 | |||||||
「塚本さん貝島さんの住まい」 アトリエ・ワン 記事タイトル 『狭さを楽しむふたりだけの快適な暮らし』 モダンリビング#111 3・4/1997 |
背景情報・予備知識 | 住み手の生活 | 建築家の紹介 | 「ハスネ・ワールド・アパートメント」 塚本由晴+貝島桃代+竹内昌義 住宅特集 07/1995 |
現代社会の認識・批判 | これまでの「集合住宅」における論点 | 家族、共同体のあり方 | 「集合住宅」の文脈において、議論の中心をなすのは家族や共同体のあり方である。 | 「集合住宅」、家族、住宅 | |||
建築の描写・説明 | 構成 | 狭いメゾネット | 部屋はメゾネットスタイルで、広さはなんと上下階あわせて38u。 | 部屋、メゾネットスタイル、 | 「集合住宅」における新しい論点の指摘 | 消費行動を通した個人の価値観 | しかし、深夜テレビ『ROOMS』や、都築響一の『TOKYO STYLE』が示すのは、現在の東京における住環境の混血性であり、そこでの消費行動を通した個人の価値観の表明である。 | 住環境、ROOMS、TOKYO STYLE、東京、消費行動、個人、価値観 | ||||
収納 | 可動の収納家具 | 狭いスペースに収納を造り付ければ、なおさら狭く感じるので上階に服などをまとめて収納できる移動可能な収納家具をつくり、 | 狭い、スペース、収納、 | 個人の感受性と建築のありかた | 個人の価値観をためらいなく表現する、こうした感受性の広がりは、特に住むことにかかわる建築のあり方と無関係ではないはずだ。 | 建築、個人、感受性 | ||||||
ロフト | ほかはロフト風の空間でフレキシブルに対応するようにしています。 | ロフト風、空間、フレキシブル | 家族論とのすれ違い | しかし、このことと「集合住宅」の家族論、コミュニティ論というのがすれ違ってしまうもどかしさがある。 | 集合住宅、家族論、コミュニティ論 | |||||||
インテリア | 機能優先の素材 | 機能を優先したフェイクな素材 | 機能、フェイク、素材 | 「集合住宅」における別の論点の存在 | むしろ家族論、コミュニティ論とは別の還元力も、集合住宅にはおよんでいるといったほうがよいだろうか。 | |||||||
施主についての記述 | 住み手の生活 | ライフスタイル | 建築家ならではの自分たちの暮らしにあったライフスタイルを生み出しています。 | 建築家、ライフスタイル | 家族論・コミュニティ論だけではない複数の価値体系 | 複数の価値体系の認識 | それは、ひとつの価値体系の中での善悪よりも、複数の価値体系の関係に、関心を移行させることである。 | 価値体系 | ||||
この水準ではじめてとらえることができる建築の社会への出現形式の中に、アパートやマンションを語る文脈があるのではないか。 | 建築、社会、アパート、マンション | |||||||||||
現在の建築全般への応用 | そしてこの文脈を、他のビルディングタイプを巻き込んで、現在の建築が置かれている状況全般に拡大することはできるのだろうか。 | ビルディングタイプ | ||||||||||
物理的な快適さと共に情報の場における快適さ | 社会の中での位置づけを示す | ここではアパートを構成する必要最低限のものが正確に配置され、この建物の社会の中での構造的な位置付けが(比喩的に)示されることによって、物理的な快適さと共に、情報の場における快適さとでも呼べるものが獲得できればよいと考えた。 | 配置、構造的、物理的、快適さ、情報、 | |||||||||
複数の計画水準が引き寄せる情報 | するとアパートの文化領域を成立させるテクスト(計画学や賃貸物件の商品性も、その一部を構成している)を媒介に、空間構成、構造、設備、照明、色彩、素材など複数の計画水準が引き寄せる、もの/情報群が浮かび上がる。 | 文化、領域、商品性、賃貸物件、空間構成、構造、設備、照明、色彩、素材、情報 | ||||||||||
これが、先に述べた情報の場である。 | ||||||||||||
建築家の思想 -設計コンセプト |
ディンクス層のための美しい棚 | 美しい棚 | 美しい棚をつくること。 | 棚 | ||||||||
この規模の賃貸アパートが半ば必然的にターゲットにする独身者やディンクス(老若不問)にとっては、美しい棚はその身軽さゆえの楽しみに答えるもののようにさえ思える。 | 賃貸アパート | |||||||||||
建築の描写・説明 | 構成原理 | ヴォリュームと構成原理 | 集団規制によって切り出された最大ヴォリュームを、アパートの構成原理によって分割すること。 | 集団規制、ヴォリューム、構成原理 | ||||||||
施主の要望 | 水害のおそれから2階以上をアパートとすること | |||||||||||
南面採光、北側廊下 | 南側が緑道のこの敷地では、南面採光、北側片廊下という典型的な構成が疑いなくその価値を発揮する。 | 南面、採光、北側、片廊下、 | ||||||||||
ヴォリュームの分割 | 緑道側では間口の分割(垂直分割)、廊下側では高さの分割(水平分割)によってヴォリュームを加工する | 間口 | ||||||||||
構造計画 | 構造形式の変化 | 1階と2階以上で構造形式を変えること。 | 構造、形式 | |||||||||
基礎から立ち上げた4本のRC方もち柱の上に、住戸部分の鉄骨の籠をピン接合する。 | 基礎、住戸、鉄骨、ピン接合 | |||||||||||
空間を構造に反映 | これは、貸事務所と住戸部分の空間の性格の違いをそのまま構造に反映させたものであり、予算および地盤の悪さに対する解決となっている。 | 貸事務所、住戸、空間、地盤、予算、構造 | ||||||||||
領域の仕切り | 事務所、アパートのヴォリューム | 住戸のヴォリュームの腹をめくり、飛行船の操舵室のように下に垂らすことによって、1階事務所の領域を確定すること。 | 領域、 | |||||||||
これは、アパートのヴォリュームを事務所より大きく見せるほか、着彩された照明による演出、非ブティック化の効果がある。 | 照明 | |||||||||||
アプローチ | 隣地との隙間 | 隣地の黄色い壁と、この建物の隙間にアプローチすること。 | 隣地、壁、建物、隙間、アプローチ | |||||||||
階段 | 鉄骨階段 | 階段をRCではなく鉄骨にすること。 | 階段、鉄骨、RC | |||||||||
マンションとアパートの微妙な違い。 | マンション、アパート | |||||||||||
壁面 | ポスト、照明、メーターを組み込む | PSに館名板、照明、ポスト、ガスと電気の集合メーター、姿見を組み込み、FRP波板でひとつに覆うこと。 | ||||||||||
これによって、サイン、照明、設備、動線など複数の計画水準が絡まったアクティブな壁面を作り出す。 | サイン、設備、照明、動線、計画、壁面 | |||||||||||
インフラ | 受水槽をなくす | 受水槽をなくすこと。 | 受水槽 | |||||||||
アパートの個室は、個人がインフラに接続する端末だから、ここではそれらの直接的な接続を意図した。 | インフラ、個室、端末、接続 | |||||||||||
色彩 | サインとしての色彩 | 各住戸の色を決めて、玄関扉、トイレの扉とその内部、収納のカバー、ブレース、カーテンに着彩すること。 | 住戸、色、玄関扉、ブレース | |||||||||
居住者にとって、色は所有対象を見分ける印となる。 | 居住者 | |||||||||||
照明 | 住戸と貸事務所の光の種類を変えること。 | 住戸、貸事務所、光 | ||||||||||
住戸はビーム球、貸事務所は蛍光灯。 | 住戸、ビーム球、貸事務所、蛍光灯 | |||||||||||
家具 | 最低限の家具 | 最低限の家具を作ること。 | 家具 | |||||||||
建築家の思考 −設計コンセプト |
建築家の意図 | 複数の価値や認識が投影されること | ここでは、複数の計画水準がアパートのテクストを媒介にして引き寄せた、物・情報群に対する即物的な対応を繰り返す中で、ひとつの要素の確定においても、複数の価値や認識が投影されたり、複数の計画水準にまたがる決定がなされることを心がけた。 | 計画水準、アパート、テクスト、物、情報 | ||||||||
リゾーム的な情報の場 | そしてこれらを、隠す、見せる、関連させる、メタファに結びつける、といった修辞操作によって、この建物がリゾーム的な情報の場として出現することを期待した。 | 隠す、見せる、関連、メタファ、操作、リゾーム的、情報、場 | ||||||||||
物理的な快適さとは別の快適さ | なぜなら、こうしたリゾーム的な情報の場に、物理的な快適さとは別種の快適さを、われわれは感じているのではないか、と考えたからである。 | 快適さ、物理的 |